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東京電力自然学校

東京電力自然学校
豊かな自然の中で育んでいく、環境コミュニケーション活動。それが、「東京電力自然学校」です。

「東京電力自然学校」では、持続可能な社会の実現に貢献するために、豊かな自然と自然を育む心を次世代に引き継ぐ活動をしています。

東京電力が保護・保全・再生・創出に取り組んできた「尾瀬・戸倉」「当間(あてま)高原」「発電所」など各地のフィールドにおいて、地域社会、教育・研究機関、NPO法人など各分野のみなさまと連携しながら、
自然体験・環境教育などを通じた環境コミュニケーション活動を展開しています。


ここでは、東京電力自然学校の各フィールドでの活動について、環境部自然環境グループの櫻井良樹さんに インタビューしました。

東京電力株式会社
環境部 自然環境グループ 櫻井 良樹

平成8年に東京電力㈱入社。学生時代から土木工学を専攻し、入社後は水力発電所の建設に携わる。

環境への関心が高まる中、平成12年東京電力の関連会社㈱当間高原リゾートに出向し、水辺環境の再生プロジェクトに
携わる。東京電力自然学校開校後、同プロジェクトに加わり、自然体験を通じたコミュニケーション活動の展開を進めている。

東京電力株式会社 環境部 自然環境グループ 櫻井 良樹

聞き手: CSRコンパス事務局 エクベリ聡子

はじめに、「東京電力自然学校」とはどのようなものですか。

櫻井氏: これまで東京電力では、尾瀬や発電所など、各地域において様々な環境保護・保全活動やそのフィールドを舞台としたコミュニケーション活動を行ってきましたが、2008年4月に「東京電力自然学校」という統一コンセプトのもとにスタートしました。
東京電力の前会長である田村滋美が校長を務め、自然に親しみ、その大切さを知り、そして行動する場と機会づくりを行っています。
「東京電力自然学校」という統一した名称で展開したのは2008年からですが、その活動の一つである尾瀬での取り組みは約半世紀の歴史があります。
現在、活動のフィールドとしては、尾瀬・戸倉、当間高原、発電所などがあります。

尾瀬の活動は約半世紀の歴史ということですが、現在どういった活動を行っているのですか。

櫻井氏: 東京電力では、尾瀬国立公園特別保護地区の約7割、全体の約4割の土地を所有しています。
ミズバショウが一面に咲く美しい場所です。
そのような美しい場所を舞台に、自然解説員による自然体験などのコミュニケーション活動を行っています。
一方尾瀬を取り巻く戸倉山林では、戦後の木材需要によりブナ林が伐採され、代わりに植えられたカラマツの人工林が広がっています。
この一部には生育が良くない場所が見られたため、現在、元々あったブナをはじめ、カエデやサクラを植林し、豊かな森づくりに向けた活動を行っています。
植林には、学生からシニア層まで一般の方にも幅広くご参加いただいています。

また、群馬県片品村の村営施設「尾瀬ぷらり館」内では、展示やスライドショーなどを開催し、尾瀬・戸倉の自然や野生動物について学んでいただける「尾瀬・戸倉教室」が2009年4月よりスタートしました。
リピーターの方々にも楽しんでいただけるよう、現地のスタッフは時間があれば森へ出て写真を撮影するなど、出会った動物たちをお客さまに解説できるよう心がけています。
日帰りの「ネイチャーツアー」や山小屋に泊まる1泊2日の「ECOツアー」では、尾瀬・戸倉の自然観察会なども行っています。

新潟県の当間高原にも東京電力自然学校があるのですね。ここでの活動はどういったものですか。

櫻井氏: 当間高原は、魚沼産コシヒカリで有名な、新潟県十日町市にあります。
ここでは、東京電力のグループ会社である(株)当間高原リゾートが運営するホテルベルナティオに隣接する里山の豊かな自然をフィールドに「あてま 森と水辺の教室ポポラ」を展開しています。
豊かなブナ林が広がる敷地内で、主に宿泊者を対象とした体験プログラムを提供しています。自然に親しむ「ポポラ自然ウォーク」や自然の生態に深く迫る「昆虫博士になろう」など自然を知るプログラム、そしてブナ植林体験プログラムなど季節ごとに様々なプログラムを企画し、開催しています。
また、専門家や関連会社と共に、モリアオガエルやニホンリス、フクロウの生態などの調査も行っています。例えば、フクロウの調査では24時間、巣箱に設置したカメラで撮影をし、フクロウがどんな餌を持ってくるか、いつ頃巣を出るかなどを観察しています。
フィールド調査には、自然解説員も積極的に参加し、お客様に色々な話ができるよう心がけています。

発電所の東京電力自然学校について聞かせてください。発電所で自然体験とは少し意外な気がしますが。

櫻井氏: 尾瀬・戸倉では原生的な自然を、当間高原では里山の自然を体験してもらう場であるのに対し、火力発電所での取り組みはより身近な自然を感じる場となっています。
火力発電所の敷地内にある自然を使っての自然観察会などの活動を行っています。
意外かもしれませんが、火力発電所内の敷地のうち、約25%は緑地です。
都心に近いため訪問しやすく、安全ということで子どもたちの参加も多く、敷地内にあるビオトープでは、チョウやトンボなどの昆虫やメダカなどの水辺の生き物を見つけることができます。
また、残念なことですが、アメリカザリガニなど、一般開放しているビオトープには外来種が含まれることがあります。
生きものを触り、じっくり観察するという体験と同時に、そういった外来種についての問題なども解説することで、子どもたちにも「自然へのつきあい方」や「自分の自然を見るものさし」ができてくるのだと思っています。
身近な自然に触れることで、自然に対する自分のものさしができ、そこから尾瀬などの大きな自然の素晴らしさに気がつくのかもしれません。

社員を対象とした自然観察指導員養成研修があると聞きましたが、どういった研修ですか。

櫻井氏: NPO法人自然体験活動推進協議会(CONE)が認定する自然体験活動リーダーの資格が取得できる研修を行っています。
自然学校をはじめとする東京電力の取り組みを、全社一丸となって取り組むための制度のひとつです。
実際にフィールドで自然や環境について体験を通じて学ぶことで、自分の経験を通じてお客様に紹介できるような人材が増えてくれればと思います。
これまでに、約180名(2010年6月末現在)の社員が資格を取得していますので、この育成したタネをどう大きな苗に育てていくかが次のステージだと考えています。
また、この自然観察指導員養成研修は社員を対象としていますが、学校の先生方を対象とした環境教育研修会もあります。
ここでは実際に生徒に自然観察会を行うときの手法などを支援しています。

東京電力自然学校の推進における課題やチャレンジはありますか。

櫻井氏: これまで一部の環境関係者や現場担当者だけがやっていたものが、「東京電力自然学校」という統一のコンセプトができ、校長の田村を中心とした活動の推進により、積極的にやってみようという社員が増えています。
今後はそういった想いのある社員にどう関わってもらうかが課題の一つとなってきています。
行く行くは約4万人の社員全員が関わり、東京電力の自然を守る活動を一枚岩となって進めていくために、次のステージに移るための仕組みづくりが必要だと感じています。

今後取り組みたいこと、広げたい活動は何ですか。

櫻井氏: 全国には様々な自然学校がありますが、「東京電力自然学校」が最も力を発揮できるのはどんなところだろうかと考えています。
東京電力は電気をお客さまお届けするために必要な発電所を建設してきましたが、自然への影響は避けては通れません。
これまで私たちの先輩方は、その自然への影響をいかに回避あるいは小さくするかに力を注いできており、その技術やノウハウが東京電力にはあります。
そういったことを考えると、「目を閉じて木々の音を聞き、自然を感じましょう」といった活動だけでなく、もう一歩踏み込み、「なぜここにこの木があるのか」、「ここに生きものがいるのか」について、実際の調査や研究に基づいた解説を行う、そんなことが東京電力の特色を出した自然学校なのかもしれません。
今後も自分たちの土俵で、得意分野を活かした企画を行っていきたいと思います。
例えば、千葉火力発電所では、「チョウの森をつくろう」というプロジェクトを始めています。チョウは、種類によって幼虫が食べる葉っぱは様々です。
プロジェクトでは、先日30種類あまりの地元産の植物の苗を植えました。このような取り組みは、苗を作る技術や設備を持ち、発電所で森をつくるノウハウを持っているからこそできるプログラムです。
参加してくださる方に対しては「どう楽しんでもらえるか」を追求しつつ、ベースには技術やノウハウがあるといった、東京電力自然学校らしい活動を広げていきたいと思います。

東京電力自然学校の活動については、下記のウェブサイトで詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。
http://www.tepco.co.jp/eco/ns/index-j.html
参考ウェブサイト:
東京電力 環境への取り組み
http://www.tepco.co.jp/eco/index-j.html

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