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サーキュラーエコノミーとは? 「つくって、使って、捨てる」から「循環させる」経済へ

サーキュラーエコノミーとは? 「つくって、使って、捨てる」から「循環させる」経済へ

トレンドウォッチ

2026年8月05日

サーキュラーエコノミーとは? 「つくって、使って、捨てる」から「循環させる」経済へ

サーキュラーエコノミーとは? 「つくって、使って、捨てる」から「循環させる」経済へ

モノはどこへいく? ー中心は設計にあり

私たちの身の回りには、たくさんのモノがあります。洋服や食品、家電製品、プラスチック容器など、日々当たり前のように使っていますが、それらは役目を終えた後、どこへ行くのでしょうか。

これまでの経済は、資源を採掘し、製品をつくり、使い終わったら捨てるという「一方通行」の仕組みが中心でした。しかし、人口の増加や資源の枯渇、気候変動などの問題が深刻化する中で、この仕組みを続けることは難しくなっています。そこで世界中で注目されているのが、「サーキュラーエコノミー(循環経済)」という考え方です。

サーキュラーエコノミーとは、資源をできるだけ長く使い続け、廃棄物をできる限り減らしながら、資源を循環させていくビジネスモデルや経済のシステムのことです。単にリサイクルを進めるだけではなく、製品やサービスそのものを「循環すること」を前提に設計することが大きな特徴です。そのため、「サーキュラーエコノミーの中心は設計にある」とも言われています。

サーキュラーエコノミーの考え方とその背景

 

この考え方を世界的に広めている英国エレン・マッカーサー財団は、サーキュラーエコノミーの原則として三つのポイントを示しています。一つ目は、「廃棄物や汚染を出さない設計にすること」。二つ目は、「製品や資源の価値をできるだけ長く維持しながら使い続けること」。そして三つ目が、「自然のシステムを再生すること」です。

例えば、壊れた製品を修理して長く使う、部品を交換して再生品として販売する、所有するのではなくシェアサービスとして利用する、使い終わった製品を回収して新しい製品の材料として活用する──こうした取り組みはすべて、サーキュラーエコノミーの考え方につながっています。リサイクルだけに頼るのではなく、「そもそも捨てない仕組み」をつくることが重要なのです。

では、なぜ今これほどまでにサーキュラーエコノミーが注目されているのでしょうか。その
背景には、世界的な資源問題があります。人口増加に伴い、資源はこれまで以上に大量に採掘・消費されていますが、エネルギー資源はもとより、鉄鉱石や銅、銀、スズなどの主要な金属資源の多くは、この数十年以内に枯渇する恐れがあるのです。実際に循環利用されている資源は世界全体でも1割に満たないと言われています。また、世界の温室効果ガスの排出量の約半分は、資源の採掘や加工の過程で発生しているとも言われています。つまり、資源を無駄なく循環させることは、資源問題だけでなく、気候変動への貢献にもつながるのです。

 新たなビジネスをうみだす仕組みを

さらに、サーキュラーエコノミーは環境対策だけではありません。資源を大量に消費することを前提としない新しいビジネスモデルを生み出すことにもつながります。製品を販売するだけではなく、シェアリングサービス、修理やリファービッシュ(再生品)の提供、中古品の流通など、新たな市場やサービスが広がりつつあります。企業にとっても、循環型のビジネスは新たな成長機会として期待されています。

こうした動きは世界各国で加速しています。EUでは製品のライフサイクル全体を見直す政策が進められ、資源循環率の向上を目指す法整備も進んでいます。日本でも、サーキュラーエコノミーを成長戦略の一つと位置付け、技術開発や設備投資への支援、さらに再生材の利用促進や環境配慮設計を後押しする制度づくりが進められています。プラスチック容器の回収・再利用や衣類の循環、自動車のリサイクル、食品ロス削減など、さまざまな分野で新しい取り組みが始まっています。

ただし、サーキュラーエコノミーにもトレードオフがあります。資源を循環させる過程でも温室効果ガスは発生しますし、別の環境負荷につながる場合もあります。また、シェアリングなどの新たなビジネスモデルが新たな需要を生み出すことで、環境や資源への総負荷が高まる可能性もあるのには注意が必要です。それでもなお、これからの時代は、「つくって、使って、捨てる」という従来の発想から、「どうすれば資源を循環させ続けられるか」という発想への転換が求められています。サーキュラーエコノミーは、環境を守るためだけの取り組みではなく、企業の競争力を高め、新たな価値を生み出す経営戦略でもあります。

私たちが何気なく使っているモノの「その先」に目を向けること。その小さな視点の変化が、循環型社会への第一歩になるのかもしれません。




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この記事の監修者
芝原 亜季 芝原 亜季 イースクエア Compass for Sustainability 統括マネージャー

政府系金融機関での国際協力業務の経験を経て、英国ノッティンガム大学大学院でMBA in Corporate Social Responsibilityの修士号を日本人第一号として取得。2008年にイースクエアに参画。CSR・サステナビリティ支援事業に従事し、企業の戦略策定・実行支援、リサーチ分析などに携わる。現在は、会員制サイトであるCompass for Sustainabilityを統括し、国内外の情報とサステナビリティ推進支援の知見と経験を活かしたコンテンツ開発に取り組んでいる。

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